短編怪談#133「病院の隣の公園」
これは、数年前に友人から聞いた話。
その友人は関西に住んでいるのですが、
あるとき実家の家族と一緒に
東京へ遊びに行ったそうです。
東京行きの新幹線は夕方に着く予定でしたが
列車の不具合か何かで遅れが出て
結局、着いたのは夜の22時頃だったそうです。
そんな長旅の疲れか、友人は夜中に体調を崩したそうです。
最初のうちは
「病院に行くのも面倒だから」と
耐えていたそうですが
流石に無理をしすぎると翌日に影響するだろう
ということで仕方なく近くの病院へ行くことに。
病院へは父が付き添いで
タクシーで向かったそうです。
15分ほどで病院に到着しました。
入り口へ向かうと、
そこは薄暗い灯りしかなく、
自動ドアのガラスには
「緊急窓口へお越しください」の文字が。
時間も時間だったので仕方ないと思い、
裏手にある緊急用の出入り口へ向かいました。
すると、その道の途中で
そこそこ広めな公園を見つけたそうです。
その公園はかなり寂れた感じで夜なのも相まって
不気味な雰囲気を漂わせていました。
「なんか怖いなぁ」なんて会話をかわしながら
通り過ぎようと歩いていたら
「ふふっ」
と子どもが笑っているような声が聞こえてきました。
その声のする方を見ると
公園内にあるジャングルジムの上に
小学生ぐらいの子どもが居たそうです。
その子はニッコリと笑っていて
妙に気になったのだそうですが、
その時は体のだるさで
それどころではなかったため
立ち止まることもせず病院へ急ぎました。
10分ほどで無事に診察が終わりました。
幸い、ただの疲労だったそうです。
病院を出て、タクシーを呼ぶために
来た道を戻っていたときでした。
「あれ?」
おかしなことに気づきました。
「今、来た道を戻ってきたよな?公園は?」
行きに見かけた公園がどこにも見当たらなかったのです。
不思議だったので
もう一度その道を戻ってみたそうですが、
どんなに見渡しても無いんです。
公園が。
結局
「体調が悪いからだ」
と父親に無理やり片付けられて
その日は帰ったそうですが
後日、その病院名や近辺の情報を調べてみると
その場所は公園の“跡地”ではあったものの、
今はただの空き地になってるそうです。
あのとき友人が見た
“公園”はなんだったのでしょうか
あのとき笑っていた男の子は…?
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